アイヌ民族の視点からみた「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の解説と利用法
上村英明
2008年10月 市民外交センター発行
本ブックレットは、2007年9月13日に国際連合総会で採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」(以下、権利宣言)をアイヌ民族の視点からわかりやすく解説し、その利用法を例示したものです。
市民外交センターでは、本権利宣言の起草段階から、これに参加し、作業の詳細を紹介してきました。(市民外交センター編『先住民族の権利と国連の人権活動』1990年8月、市民外交センター、を参照。)この経緯から、1994年に同僚である手島武雅氏が訳した権利宣言草案を土台に、2008年7月には採択された権利宣言の飜訳を行いました。(ホーム・ページ参照。)
一方、2008年7月5日〜6日には、札幌市で歴史的な「アイヌ民族サミット」が開かれ、その会場で、権利宣言を具体的にどう使えるのか示した解説書が必要との声が高まりました。本ブックレットは、それに応え、同じ同僚である相内俊一氏が2004年に行った解説(先住民族権利宣言研究グループ編『一目でわかる先住民蔵の権利宣言』2004年2月、ウハノッカの会)を参考にしながら、権利宣言の条文をわかりやすく解説し、利用法に関しては、僕自身の限られた経験の中から可能性を記したものです。アイヌ民族の中で、本ブックレットを「たたき台」とし、その可能性がさらに発展することを祈っています。
尚、解説の原典としては、権利宣言の市民外交センター訳を利用しました。翻訳作業に関わられた関係者および本ブックレットにコメントを頂いた木村真希子さんに感謝したいと思います。
上村英明(市民外交センター代表)
2008年9月13日
先住民族権利宣言の採択1周年にジュネーブにて