帯広市アイヌ施策推進地域計画から

帯広市計画の川サケ利用「特別措置」

以下の文章は、帯広市アイヌ施策推進地域計画(2023年3月10日)から抜粋しました。一部改変しています。

内閣府ウェブサイト  2024/04/15閲覧

(1)当該事業の概要
鮭はアイヌ語の日常語で「シペ(本当の食べ物)」、つまり「主食」を意味する。帯広の伏古別川には昭和28年ごろまで毎年鮭が遡上しており、この川辺に住むアイヌの人々は「マレック(回転式自在銛)」を用いて鮭を獲り、貴重な食料としていた。帯広アイヌ協会ではアイヌ文化の再現・保全・伝承を目的として、アイヌの人々や多くの子どもたちにマレック漁を体験するためのイベントを毎年開催している。当日はマレック漁の安全・豊漁、この行事が無事終わることをアイヌ民族の神々に祈るカムイノミ、古式舞踊の奉納も実施し、漁獲した鮭は、帯広市アイヌ生活文化展や伝統的アイヌ料理実習体験事業等に使用し、一層のアイヌ文化の普及に努めていく。

(2)実施主体
帯広アイヌ協会(住所:帯広市柏林台東町2丁目2番地5、代表者氏名:笹村昭義)

(3)採捕の区域
水辺の楽校内の伏古別川の区域(別添位置図参照)

(4)採捕の期間
9月ごろから11月ごろまで

(5)採捕する水産物の種類及び数量

種類 数量
30尾/年程度

(6)使用予定漁具

種類 マレック
規模 200cm~300cm
数量 5本
漁法 鉤によるアイヌ民族伝統漁法

【マレック】アイヌが鮭を獲るときに使用する代表的な漁具。長さは200cm~300cm。先端の鉄の部分、それを取り付ける台木、台木を縛り付ける柄の3つの部分からなる。先端の鉄の部分は鮭を突き刺す「銛」と、鮭を水面から引き上げるための「鉤」の役割を果たす。
右の写真(省略しています=森・川・海のアイヌ先住権研究プロジェクト)はイサパキクニという道具。この棒で鮭の頭をたたくことで、その霊魂が神のもとへ帰ると考えられている。

(7)予定する採捕従事者
帯広アイヌ協会会長ほか100名程度

(8)使用予定船舶
なし

(9)関係者との事前調整状況
十勝釧路さけ・ます増殖事業協会 令和4年2月8日に計画の概要を説明し、内容について了承を得ている。